ラシックスの服用方法、相互作用
ラシックスは、高血圧症などの疾患が原因となるむくみの改善に使われている薬です。
美容目的のむくみとりとして用いる場合、作用が強く出てしまいます。
誤った服用方法で薬を飲むと、思わぬ体調不良を引き起こすことも。
目的によって、用量を使い分けることが重要です。
また薬を複数併用すると効果が半減、副作用が増強してしまうことがあります。
薬を服用する前には、正しい服用方法と一緒に飲んではいけないものを確認しましょう。
もくじ
ラシックスの服用方法
医師からの処方以外で入手したお薬の服用は、自己責任です。
薬には副作用があり、必ず自分の身体に合うとは限りません。
初めて飲む薬は、必ず少量から試してみましょう。
早く効果を実感したいために、用量をオーバーして薬を飲んでしまうのは危険です。
ラシックスは脱水症状や、急激な血圧低下などの症状が強く出てしまうことがあります。
美容目的のむくみ改善として、ラシックスを使用する際の用法、用量を紹介します。
ラシックス錠の種類 | 10mg、20mg、40mg |
用量 | 1回 40mg投与 |
服用間隔 | 1日1回 |
服用できる飲料 | 水、ぬるま湯 |
服用のタイミング | 食前推奨 |
ラシックスの相互作用
薬は飲み合わせにより効果が増強、または効果が薄れてしまうことがあります。
これを相互作用といいます。
相互作用は薬だけに限らず、食べ物や飲み物で起こることもあります。
例えば、ラシックスはアルコールとの併用が禁じられています。
ラシックスにはどのような相互作用があるのか確認してみましょう。
利尿に関する作用を弱める薬剤
・非ステロイド系抗炎症剤
・インドメタシン製剤
非ステロイド性消炎鎮痛剤が腎臓でのプロスタグランジン合成を阻害し、水、塩類の体内貯留を引き起こし利尿作用と拮抗します。
・尿酸排泄促進剤
・プロベネシド
尿酸再吸収の間接的な増大により、尿酸排泄促進剤の作用が抑制されます。
そのため尿酸排泄促進剤の尿酸排泄作用を減弱するおそれがあります。
副作用を増強させる薬剤
・SGLT2阻害剤
・V2-受容体拮抗剤
・モザバプタン塩酸塩
利尿作用を増強するおそれがあるため、脱水症状に注意が必要です。
・非脱分極性筋弛緩剤
・ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
利尿剤による血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経、筋遮断作用が増強されると考えられています。
・血圧降下剤
・β-遮断剤
ラシックスと、これらの薬剤のどちらにも血圧を下げる作用があり、併用によりさらに降圧作用を増強させるおそれがあります。
・アミノグリコシド系抗生物質
・硫酸ゲンタマイシン
・硫酸アミカシン
・シスプラチン
第8脳神経障害(聴覚障害)を増強するおそれあり。
アミノグリコシド系抗生物質の内耳外有毛細胞内濃度が上昇し、最終的に外有毛細胞の壊死を引き起こし永続的な難聴が起こる場合があります。
・アミノグリコシド系抗生物質
・硫酸ゲンタマイシン
・硫酸アミカシン
・セファロスポリン系抗生物質
・セファロチン
近位尿細管でのナトリウム再吸収の増加に伴い、抗生物質の再吸収も増加することによる組織内濃度が上昇し腎毒性が増強するおそれがあります。
・ジギタリス剤
・ジギトキシン
・ジゴキシン
利尿剤による血清カリウム値の低下により、ジギタリスの心臓に対する作用を増強するおそれがあるので注意が必要です。
血管系の働きを悪化させるお薬一覧
・ACE阻害剤
・アンジオテンシン2受容体拮抗剤
ラシックスの投与中は、血漿レニン活性が上昇。
これらの薬剤を投与することによりレニン-アンジオテンシン系をブロックします。
その結果、急激な血圧低下や腎不全を含む腎機能の悪化を起こすと考えられています。
・糖質副腎皮質ホルモン剤
・ヒドロコルチゾン
・ACTH
・グリチルリチン製剤
・カンゾウ含有製剤
ラシックスとこれらの薬剤はともにカリウム排泄作用があります。
併用することによる過剰なカリウム放出により、低カリウム血症が発現するおそれがあります。
・カルバマゼピン
ナトリウム排泄作用が増強され、低ナトリウム血症が起こります。
その他の危険を招くお薬一覧
・リチウム製剤
・炭酸リチウム
リチウムの腎臓での再吸収を促進し、リチウムの血中濃度が上昇します。
・サリチル酸製剤
・サリチル酸ナトリウム
・アスピリン
腎臓の排泄部位において両剤の競合が起こり、サリチル酸誘導体の排泄が遅れサリチル酸中毒が起こります。
・シクロスポリン
フロセミドによって引き起こされる高尿酸血症とシクロスポリンによる尿酸塩排泄阻害により、副作用が悪化します。
・塩酸コルホルシンダロパート
ラシックスにより電解質失調が引き起こされ、併用によって不整脈が発現する可能性があります。
併用薬の作用を弱める薬剤
・昇症アミン
・アドレナリン
・ノルアドレナリン
ラシックスとの併用により血管壁の反応性が低下するため作用が半減します。
・糖尿病用薬
・スルホニルウレア系薬剤
・インスリン製剤
ラシックスとの併用により、糖尿病用剤の作用を大いに減弱してしまうおそれがあります。
細胞内外のカリウム喪失がインスリン分泌の抑制、末梢でのインスリンの低下をもたらすためです。